統計・世論調査を読む 
「労働力調査」のおさらい

新聞や雑誌を見ていると、2020年問題、2030年問題というキーワードをよく目にされると思います。そうした記事の中で、「労働力」に関する基礎的なデータとして使われているのが総務省の「労働力調査」になります。

今回は、新聞・雑誌の記事で頻繁に引用される「労働力調査」のデータについて、おさらいをしてみたいと思います。

まず、総務省「労働力調査」とは、どんな調査なのでしょうか?

「労働力調査」とは、日本における就業及び不就業の状態を毎月把握し,雇用・失業状況の詳細を明らかにすることを目的したものです。全国約4万世帯の調査世帯に対して、毎月1回実施されています。

記事の中でよく見かける用語の関係は、下記のようになっています。

                 ┌従業者
             ┌就業者┤
       ┌労働力人口┤   └休業者
15歳以上人口┤     └完全失業者
       └非労働力人口(通学,家事,その他(高齢者など))

これらは調査の直近の「月末1週間」に“仕事をしたかどうか”で分けられます。

「従業者」とは、調査週間中において、収入を伴う仕事を少しでも(1時間以上)した者をいいます。

なので、世間的な身分が「学生」であっても、1時間以上アルバイトをしたら、「従業者」となります。また、個人商店や農家で家族などが1時間以上働いた場合も「無給の家族従業者」として「従業者」にカウントされます。

「休業者」とは、病気や休暇などのため仕事をしなかった者で、仕事を休んでいても給料・賃金の支払を受けている雇用者、自営業主で仕事を休みはじめて30日にならない者です。育児休業給付金、介護休業給付金の受給者も含まれます。

「完全失業者」とは、以下の3つの要件を満たす者をいいます。

1) 仕事がなく調査週間中に少しも仕事をしなかった
2) 仕事があればすぐ就くことができる
3) 調査週間中に求職活動をしていた(求職活動の結果待ちを含む)

ですから、求職活動をしていないニートの場合には失業者とはいいません。逆に、転職者で次の就職先が決まっているにもかかわらず、調査期間中に仕事をしていなかった場合などは「完全失業者」としてカウントされます。

どうでしょうか。普段、統計データに触れる機会の少ない方にとっては、えっ、そうなの?と意外に思われたのではないでしょうか。用語を理解することで新聞・雑誌の見出しの見え方も変わってくると思います。総務省統計局のホームページには統計データの用語解説なども掲載されていますので、気になる方はご覧になってみてはいかがでしょうか。

(by インディーロム 渡邉修也)