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「オレンジリボンって知ってますか?」

オレンジリボンってご存知でしょうか。乳がんの早期発見を啓発するピンクリボンは有名ですね。オレンジリボン運動とは、子どもの虐待防止を目指す活動のことです。

私がこの活動を知ったのは、数年前にとある仕事でこのオレンジリボン関係のイベントのお手伝いをさせていただいたのが直接のきっかけでした。

それ以前の私は、子ども虐待というと、へぇ、世の中そんな酷いことをする親がいるのだなと、半ば他人事に思っていたのですが、仕事の打ち合わせでいろいろな事例を聴き知っていくうちに、これは虐待の加害者である親への処罰や更生という問題だけでなく、社会全体で考え、取り組まなければならない問題と、考えを改めるようになりました。

簡単に説明すると、子どもを虐待したくてする親はほんの一握りであり、なんらかの問題、あるいは、複合的な問題の積み重ねで経済的、精神的、人間関係的に追い込まれた末に、そうした不幸な事態に至っているケースが多いことです。

例えば、職場のいじめからくるメンタル面の変調、例えば、リストラ失業、例えば、会社倒産、例えば、離婚・・・等々、誰でも遭遇するかもしれない事柄がきっかけとなり、家庭内がぎくしゃくし、DV(ドメステックバイオレンス:家庭内暴力)などへ発展し、その延長線上に、一番抵抗力がなく、罪のない乳幼児が犠牲になるという連関があまりにも多いことです。

ですから、単に、危害を加えた一個人だけを、特異な行動をとるとんでもない親として隔離、処罰、更生するだけでは問題は解決しそうにないのです。

実際、子ども虐待は年々増加しています。厚生労働省の資料によると、児童相談所での児童虐待相談対応件数(平成23年度)だけみても、児童虐待防止法施行前(平成11年度)の5.2倍に増加(約6万件)に増加しており、虐待死についても、ほぼ毎年50人を超えているそうです。
しかし、これは氷山の一角にすぎません。

以下は、平成23年度の「児童相談所での児童虐待相談対応件数」(A)の内、 平成年間1,000件以上の相談があった都道府県と、「18才未満の世帯員数(国勢調査)」(B)との関係を表にしたものです。

     A(件) B(人) A/B(%)
福岡県  6,328  826,868  0.77
大阪府  9,875 1,402,462  0.70
神奈川県 8,324 1,423,864 0.58
奈良県  1,200  224,913  0.53
千葉県  4,776  964,133  0.50
埼玉県  4,853 1,157,709  0.42
広島県  1,524  466,638  0.33
三重県  1,022  306,972  0.33
長野県  1,016  358,574  0.28
東京都  4,788 1,771,134  0.27

全国   66,807 20,338,331  0.33

念のため付け加えておくと、相談件数が多いことは一概に悪いことではありません。オレンジリボンのような啓発活動を行っていくと、相談所への相談件数、警察への通報件数が増加するためです。

11月は子ども虐待防止月間にあたり、厚生労働省や全国自治体の旗振りで、各地で啓発キャンペーンが開催されます。皆様お近くでオレンジリボンのイベントを見掛けたら、是非お立ち寄りいただき、子ども虐待のことを少しでも知っていただければありがたいです。

(by インディーロム 渡邉修也)