統計・世論調査を読む 
「景気の実感は?」

前回の「中高年者縦断調査」の話題に絡めて、「孫と仲良し」で「孫への教育資金贈与」にも積極的な団塊・ポスト団塊世代について触れましたが、実際のところは、どうなんでしょうか?

先日、5月29日付の毎日新聞に「教育資金贈与新税制:祖父母ら続々信託へ 契約数ぐんぐん」という見出しを見つけました。記事によると、三井住友信託銀行は5月27日までに2,150件の契約を獲得、213億円の入金があり、三菱UFJ信託銀行も約3,500件、入金額242億円の契約を得ているということです。

なんと景気のよい話でしょうか。この孫への教育資金贈与は、使い途は教育用途に限るとなっていますが、実質的にその中間にいる孫にとっての親(祖父母から見ると子)への生前贈与になるため、実質的にお金を得た中間の親世代の消費が増えるのでは、という期待があるようです。(もっとも、この教育資金贈与の新税制、富裕層に、堂々と相続税の節税をできる抜け道を提供しただけという批判もありますが。)

それでは、実際の景気に対する実感は、どうなっているのでしょうか?

同じ毎日新聞が4月中旬に実施した主要121社に対する「景気アンケート」では実に89.3%が「景気は回復している」と答え、大企業における景況感はあきらかに改善しているようです。

一方、同じ毎日新聞が5月中旬に実施した「全国世論調査」では、景気回復について「実感していない」が80%に達し、「実感している」は13%にとどまったそうです。

ざっとまとめると、株高などで恩恵受けた大企業と富裕層では景況感はアップ、円安で食費や光熱費がじわじわとアップしているのに、給料はさほど上がらないというそれ以外の層では、景気回復の実感は乏しく、むしろ先行き不透明感も出てきている、といったところでしょうか。

大手マスコミによる企業調査や世論調査のほか、景気の良しあしを判断するデータとしては、内閣府経済社会総合研究所の「景気動向指数」、日銀の「短観(企業短期経済観測調査)」、中小企業に絞ったものでは中小企業庁の「中小企業景況調査」、日本政策金融公庫の「全国中小企業動向調査」などがあります。また、各業界団体が実施する業界ごとの景況調査も、各業界の特質と景気との連動性を考慮しながら見ると参考になると思います。

皆さんも、気になる業界の、現在の景況をネットで調べてみると面白いかもしれませんよ。

(by インディーロム 渡邉修也)